弁天温泉は、天保年間には温泉場としての記録がありますが、その発見の由来は不明で、明治17年(1884)に小林佐秀氏によって再発見された温泉です。伝えられる話によると、ある夜、小林氏の夢枕に現れた弁財天のお告げにより、出湯のあることと地に埋もれている自分の像を世に出すよう教えられたといわれています。現在の旅館の裏にこの弁財天を祀る祠があり、その奥の岩窟内から温泉が湧出しています。
この弁天温泉は、那須温泉の湯ただれを治す「仕上げの湯」としても知られており、褐色の浮遊物を有する無色無臭の単純泉で、胃腸病、脳神経病、リウマチ、疲労回復などに効果があるとされています。
場所は、茶臼岳の中腹で休暇村那須にほど近く、苦土川上流の谷間、標高に1,200mにあります。