温泉番付とは、温泉地を大相撲の番付に見立ててランキングしたものです。初めて作られたのは、江戸時代の安永年間(1772~1781)ごろといわれ、東日本の温泉地を東方、西日本の温泉地を西方に分け、人気ではなく温泉の効能の高さを元に、全国100ヵ所近くの温泉が番付されていました。
温泉の番付は、作成された地域や年代により多少の違いがありますが、最高位(大関)は常に共通で、東は草津、西は有馬となっていました。文化14年(1817)に発行された「諸国温泉効能鑑」によると、東方の関脇が那須、西方では城崎で、那須温泉が東日本で草津に次ぐ二番手に格付けされています。那須温泉の番付はどの番付表においても総じて上位にランクされていて、江戸時代から那須温泉が湯治場として高く評価されていたことを窺い知ることができます。